◆稽 古 内 容◆

【何をめざすのか】

 躰養塾では基本・移動稽古・型の修錬を中心に、空手の技を修得する

   ことを第一義とし、その修錬過程を通して心と身体の向上、ならびに

   身体意識の向上を図る事を目的としています。

 特に一般的に「運動神経が良くない」と言われている人たちが上達でき

   るよう稽古体系に配慮しています。

 そのため空手の稽古では正拳の拳頭に意識と力を集める、足の虎趾に意

    識と力を集める等の身体の各部分へ意識や力を集中する訓練を数多く行

    い、集中力や統括力を養います。

 子供達には教育の一環として「物の見方・考え方・行動の仕方」を養う

    ための取り組みも行っています

 

【稽古方法】

●技の修得過程●

①限定した技の修得

 技の数の多さではなく、技の質をあげます。

②一つ一つの技は分解動作で修得

 例:前蹴では一連動作を分解し、個々の動作過程を取り上げ学びます。

③ユックリズムでの動作による技の修得  

 技の始点から終点までの動きの可動域の軌道線を正しく維持するため、

    意識の集中・力の集中・身体意識の向上、並びに統括力の向上を図る

    ために先ずは動作をゆっくりと行います。

④技の修得における昇り降りの繰り返し  

 a.空手の技を定位置で身体に創り上げます 。

 b.技を定位置のままで徐々に力とスピードをつけて繰出しても技として

       崩れないように創り上げます。

 c.技が動きのある中でも崩れないで空手の技として機能するように『技』

      と『動き』の各々の限定 もしくは無限定、あるいはその統合の中で創

      り上げます。

 

●指導稽古●

技の修得過程において指導稽古という「互いに技の指導をする場」が設定

されます。

これは未知のことではなく、学んだ既知のことを互いに指導しあい、学びの

向上にあてます。

この目的は技の修得はもちろんですが、この稽古を通して次の効果が期待されます。

・認識的にも実体的にも把持している技がよりしっかりとしたものになる

・言葉による伝達能力が向上できる

・客観的に物事を見る力がつく

・観念の二重化、特に他人の自分化の能力が身に付けられる

・責任を持つ、果たす能力を身に付けられる

・物事の修得には段階と質があることを理解できる

・自他の違いと共通性を理解できる

・物事の構造に分け入る力を身に付けられる

 

【実体的な技の修得の流れ】

実体的な空手の稽古は、まずは定位置で空手の基本技(突・蹴・受・立ち方)

を身体に身につける修錬を行い、空手の技そのものを五体に創り上げ、次に

移動稽古等により、その修得した技・土台ともに動きの中でも形が崩れない

ように鍛錬し、約束組手・当て方等の使い方を創る過程を通り空手の技を身

につけていきます。

なお、基本技が出来上がってくると稽古は個別の稽古を主として、総体稽古

を従として行います。  

 

【型を通して段階的な技の修得の説明】

ここでは初心者から緑帯までに学ぶ4つの基本型で説明していきます。

初級者に設定されている型は基本技を修得することを目的に創られた型です。

ここでも「稽古方法」で説明しました技を限定して段階的に修得していく方

法が採られています。この過程を通り、基本技を仕上げ、次の段階である、

上級者の型(伝統型)を学んでいきます。

 《基本Ⅰの型》

   白帯が最初に習う最も基本的な中段突・前蹴・下段払・前屈立の3つの

      技で構成された基本技を学ぶための型

 《基本Ⅱの型

   黄色帯までに学ぶ受技である上段受・中段内受・中段外受・下段受・手

     刀受の5つの受技+中段突・上段突・前蹴の技の修得を目的とした型

 《基本Ⅲの型》

  緑帯までに学ぶ空手の突技2種・打技2種・蹴技3種・受技5種・立ち

       方2種+回転技 1種含む基本技を総合的に学び基本技を仕上げる型

 《養躰の型》

  基本技総仕上げの型

       Ⅰ~Ⅲの集大成の型で、上記3つの型で学んだ基本技をダイナ ミック

      に、かつ俊敏に攻防の技として前後左右に展開し心技体を空手的に

      創出する型