三 養 訓
上達のための修行訓です。稽古の終わりに全員で唱和します。
一、空手道を修行する者は 心を養い武心となし
倫理正道を得れば 心惑うこと
一、空手道を修行する者は 技を養い武技となし
応変転位を得れば 制されることなし
一、空手道を修行する者は 体を養い武体となし
体端正を得れば 崩されることなし
一、空手道を修行する者が
三養修めれば 武の道 悟 に達す
よって武の極み欲すれば三養邁進すべし
五 省
三養訓が心技体の修行訓=理念・道理であるとすれば
五省はその実体行動の規範となります
一、至誠に悖るなかりしか
(誠意をもって取り組んだか)
一、言行に恥づるなかりしか
(恥ずかしい言動・行動はなかったか)
一、氣力に缺くるなかりしか
(気力は充分だったか)
一、努力に憾みなかりしか
(最善を尽くしたか)
一、不精に亘るなかりしか
(怠けなかったか)
五省とは
旧大日本帝国海軍の士官養成機関であった広島県江田島の海軍兵学校(現在は海上自衛隊幹部候補生学校)で教育しつけの一環として、生徒がその日の行ないを反省するために自らへ発した問いかけ五文です。
現在の海上自衛隊幹部候補生学校でもこの五省は受け継がれています。
また日本だけではなく、この五省に感銘を受けたアメリカ海軍が英訳文を作成し、海軍兵学校でも掲げられていて教育に利用されています。
稽古が終わった後、黙想しながら、五省を持って自分の今日の稽古の中身を反省するんですね。
これは武道だけではなく、スポーツにおいても、学校においても、日常においても、社会においてもすべてに適用できる自身を律するための富んだ内容と言えます。
したがって会社では社是として利用しているところも多いのです。